人間は、一晩で少なくとも約200cc(コップ1杯分)の汗をかき、体熱を発散しています。
そして、室温30度以上の暑い夏の日には、なんと、その倍で、約400cc(コップ2杯分)もの汗をかいているのです。
寝ている間に、きちんと汗を吸収・放湿してくれるお布団じゃないと、快適な睡眠は得られません。
ナイロンやポリエステルなどの化学繊維は、汗を吸収せず、方湿もしません。
睡眠中にかいた汗がお布団の中にこもり、蒸れやすくなります。
綿も悪くはありませんが、最も寝具に適しているのは、ウールです。
ウールの繊維は表面がうろこ状になっていて、それが開いたり閉じたり、人間と同調して呼吸をします。
すばやく湿気(=汗)を吸収し、大気に放ってくれるので、いつもお肌はさらさらなのです。
化学繊維 (ボリエステルなど) |
汗を吸収も放湿もしない。 ムレて不怏→睡眠の質が下がる |
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線 | 悪くはないが、汗の吸収・放湿に時間がかかる |
ウール | 汗をすぐに吸収・放湿するのでお肌さらさら。 |
じつは、日本で普及しているウール布団の半分以上は、ウール布団とは言えないほど、質が良くないものなんです。
例えば、以下のようなものがあります。
1. |
ウールそのものの質が、良くないものを使っている クリンプ(縮れ)のないウールは、保湿性や弾力性が低く、ウールならではの快適さが得られません。 |
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2. |
目の詰まった側生地で覆っている(=「シープルーフ加工」) 質の悪いウールは側生地から吹き出しやすいため、目の詰まった側生地で覆ってしまいます。 |
3. |
ウールの命である「ウロコ」をころしてしまう わざわざ、本来ウールの持つ素晴らしい特性を阻害して |
上記でもお伝えした通り、表面のウロコがきちんと機能してウールが「呼吸」をすることで、睡眠中の汗をすばやく吸収・放湿してくれます。お布団の中が蒸れずに、いつもお肌さらさらです。
湿気を吸収すると、吸着熱を発生します(=冬あたたかい)。
また、水分を大気に放つ際に、気化熱を奪います(=夏すずしい)。
このように、ウールは、寝具にバッチリ適した性質を持っていて、一年中使える、とても優秀な素材なのです。